先に結論
- 編集前:目的・本数・尺・素材・納期・修正・納品形式を文章で確定
- 見積もり:基本作業、追加作業、対象外を分ける
- 制作中:初稿日と確認期限を両方決める
- 納品前:書き出した完成ファイルを別の再生環境で最初から確認
- 納品後:実質時給と修正原因を残し、次の価格と範囲を決める
初案件で優先するのは、上手く見せることより、合意した条件どおりに安全に1件を終えることです。
1. 問い合わせへ返信する
最初の返信で金額を断定せず、見積もりに必要な条件を確認します。返信期限を先に伝えると、相手も予定を立てやすくなります。
初回返信の例
お問い合わせありがとうございます。内容を確認のうえ、[日付・時間]までに対応可否と概算をお送りします。先に、動画の本数・尺・素材の有無・初稿希望日・参考動画を共有いただけますと、より正確にご案内できます。
2. 見積もり前に10項目を聞く
- 動画の目的は何か。認知、問い合わせ、採用、販売など、最後の行動を1つ決めます。
- 誰が見るか。年齢だけでなく、知識量と視聴状況を確認します。
- 何本・何秒か。完成尺の上限と、1本あたりの素材量を確認します。
- 素材は誰が用意するか。動画、音声、台本、画像、ロゴ、BGMに分けます。
- 参考動画のどこを合わせたいか。テンポ、文字、色、音、構成を具体化します。
- テロップは要点か全文か。フォント、色、行数、強調ルールを決めます。
- 初稿日・確認期限・最終納品日はいつか。依頼者の確認時間も予定に入れます。
- 修正は何回か。構成変更・素材差し替え・誤字修正を同じ扱いにしません。
- 納品はMP4だけか。プロジェクト、素材一式、サムネイルが必要か確認します。
- BGM・画像・人物・ロゴ・広告表示の権利確認を誰が担当するか決めます。
6項目以上が未定なら、確定見積もりではなく「現時点の条件による概算」として提示します。
3. 作業範囲を分けて見積もる
「ショート動画編集一式」だけでは、何を含むか判断できません。見積もりには成果物・基本作業・追加作業・対象外・日程・修正を入れます。
| 項目 | 記載例 |
|---|---|
| 成果物 | 縦型60秒以内×1本、MP4、1080×1920 |
| 基本作業 | 粗カット、要点字幕、BGM、色・音の基本調整、無料修正2回 |
| 追加作業 | 全文字幕、台本、素材検索、サムネイル、特急、3回目以降の修正 |
| 対象外 | 撮影、投稿代行、再生数保証、無制限修正 |
| 日程 | 素材締切、初稿、確認期限、最終納品 |
4. 開始条件を文章で合意する
契約書を使わない小さな案件でも、口頭だけで開始しません。次の条件をメールやチャットの1か所へまとめ、相手から「確認しました」と了承を受けます。
- 成果物、本数、尺、縦横比、納品形式
- 作業範囲と対象外
- 素材の支給者、受領日、不足時の対応
- 初稿、確認期限、最終納品
- 無料修正回数、1回の定義、追加料金
- BGM・画像・人物・ロゴの権利確認責任
- 金額、税、請求時期、支払日、振込手数料
- 実績公開の可否と公開できる範囲
- 素材遅延、連絡停止、途中キャンセルの扱い
機密保持、著作権譲渡、損害賠償など重要な条件がある案件では、専門家が確認した契約書を使用してください。本ページは法的助言ではありません。
5. 素材を受け取り、編集前に止めて確認する
素材が不足したまま編集を始めると、後から全体を作り直すことがあります。受領直後に、再生・不足・権利・参考動画との一致を確認します。
| フォルダ | 入れるもの | ルール |
|---|---|---|
| 01_source | 元動画・音声 | 元データは上書きしない |
| 02_script | 台本・字幕原稿 | 日付・版番号を付ける |
| 03_assets | 画像・ロゴ・BGM・フォント | 出所と利用条件を残す |
| 04_project | 編集プロジェクト | 自動保存先を確認する |
| 05_review | 初稿・修正版 | v01、v02のように版を分ける |
| 06_delivery | 最終納品 | 依頼者へ渡すものだけ入れる |
6. 初稿は確認目的を付けて出す
ファイルだけを送らず、「どこを確認してほしいか」「いつまでに」「どの形式で返すか」を書きます。複数人が確認する場合は、担当者1人に指示を集約してもらいます。
初稿提出の例
初稿v01を共有します。[日付・時間]までに、担当者1名へ集約のうえ「タイムコード/現状/変更後/理由」でご返信ください。構成変更・素材差し替えは作業範囲を確認し、必要な場合は追加見積もりをご案内します。
7. 修正を往復させず、1か所へ集める
修正指示は、チャット、メール、口頭へ分散させません。タイムコード付きで1か所に集約し、無料範囲と追加作業を分けてから着手します。
8. 書き出し後に最終確認して納品する
編集画面で問題がなくても、完成ファイルでは音切れ、黒画面、文字見切れが起きる場合があります。書き出したファイルを最初から最後まで再生します。
- 縦横比・解像度・フレームレート・ファイル形式が指定どおり
- 誤字、固有名詞、数字、改行、文字見切れがない
- 声、BGM、効果音の音量差と音切れがない
- 冒頭・末尾に不要なフレームや黒画面がない
- 広告・提供・クレジットなど必要表示がある
- 共有リンクをログアウト状態で開き、期限と閲覧権限を確認
- ファイル名に案件名・動画番号・版・日付がある
初案件を最後まで納品する実務キット
この9手順を、案件ごとに複製して埋められるワークブックとコピペ文例にしました。購入前に7ページ確認できます。
商品内容を見る 無料で試し読み9. 納品後48時間以内に数字を残す
売上だけでなく、手残り、実質時給、修正回数、初稿までの日数、連絡往復を記録します。次の案件では、最も時間がかかった工程を1つだけ改善します。
| 数字 | 計算 | 次の判断 |
|---|---|---|
| 手残り | 売上-外注-素材-手数料 | 案件から残った金額 |
| 実質時給 | 手残り÷全作業時間 | 最低ライン未満なら価格か範囲を変更 |
| 修正回数 | 依頼変更と自分のミスを分ける | 依頼変更が多ければ合意方法を改善 |
| 確認往復 | チャット・メールの往復回数 | ヒアリング項目を追加 |
よくある質問
最初にポートフォリオを作るべきですか?
作例は提案に役立ちますが、実在企業の素材や無許可の音楽を使わないでください。目的、担当範囲、制作時間を説明できる1〜3本から始めます。
初稿は完成形で出すべきですか?
方向性が確定していれば完成に近づけられます。不確定なら、装飾を作り込む前に構成確認を入れ、大幅な手戻りを減らします。
納品後に修正依頼が来たらどうしますか?
合意した修正期間・回数・範囲を確認します。範囲内は対応し、納品後の構成変更や追加制作は新しい見積もりに分けます。