先に結論
- 順番:初回案件を合意どおりに納品し、受領確認後に提案する
- 根拠:初回の作業時間、修正、素材、確認担当を記録する
- 提案:相手の負担を減らす改善案を1つ添える
- 条件:本数、素材尺、範囲、納期、修正、追加分を決める
- 更新:自動更新を前提にせず、見直す日と終了条件を決める
継続契約や売上は保証されません。初回で分かった事実を使い、相手と自分の双方が続けられる条件を提案します。
1. まず初回案件を合意どおりに終える
継続提案を急ぐ前に、最初の1本を合意した本数・尺・作業範囲・納期・修正・納品形式で終えます。
- 最終ファイルを最初から最後まで再生した
- 指定の解像度・形式・ファイル名で納品した
- 共有リンクの権限と期限を確認した
- 修正内容をすべて反映した
- 依頼者から受領確認を得た
未解決の修正や請求が残った状態で月額提案をすると、条件の不安が増えます。受領確認と支払条件を先に完了します。
2. 納品後48時間以内に数字を残す
売上だけでは、次回の条件を決められません。案件が終わった直後に、次の情報を記録します。
| 記録 | 次回の判断 |
|---|---|
| 素材の長さ・本数 | 月に処理できる上限 |
| 全作業時間 | 料金と採算 |
| 初稿までの日数 | 標準納期 |
| 修正内容と回数 | 固定ルールと追加範囲 |
| 連絡往復 | ヒアリングと確認担当 |
| 直接費用 | 手残りと最低価格 |
全作業時間には、編集だけでなく、素材の受け取り、確認、書き出し、連絡、修正、納品を含めます。
3. 次回の改善案を1つだけ伝える
納品後の提案は、自分の売上を増やす話から始めません。今回の制作で分かった事実から、次回の負担を減らす改善案を1つ出します。
改善提案の型
今回、[観察した事実]だったため、次回は[具体的な変更]にすると[工数削減・一貫性向上など]が期待できます。次回のご依頼がある場合は、この変更を初稿から反映します。不要であれば現在のルールを継続します。
例:
- 固有名詞の確認が多かったため、素材共有時に表記一覧も受け取る
- 担当者ごとに指示が分かれたため、確認担当1名へ集約する
- 毎回同じ色・フォントだったため、編集ルールとして固定する
- 素材到着が分かれたため、月の素材締切を決める
確認できない再生数や売上の増加を約束せず、制作工程で改善できることを提案します。
4. 月額は3プランで違いを見せる
プランを3つに分ける目的は、高いものを選ばせることではありません。本数と含む作業で金額が変わる理由を比較しやすくするためです。
| プラン | 想定 | 決めること |
|---|---|---|
| ライト | 少ない本数・支給素材中心 | 基本編集と最低本数 |
| 標準 | 定期投稿・通常の修正 | 月の本数と標準納期 |
| 強化 | 本数多め・追加工程あり | 台本補助、素材選定などの範囲 |
各プランに、対象本数、素材尺の上限、編集範囲、修正、納期、追加1本の料金を書きます。「月額で何でも対応」は終了条件がなく、採算を確認できません。
5. 月額条件を8項目で決める
- 月の本数:最低・標準・上限
- 1本の完成尺:30秒、60秒以内など
- 元素材:1本あたりの長さ・受領方法
- 作業範囲:カット、字幕、音、画像、書き出し
- 素材締切:毎月いつまでに受け取るか
- 納期:素材受領から初稿まで
- 修正:回数、範囲、確認期限
- 追加・未使用分:追加1本、翌月繰越、使い切らない場合
未使用分を曖昧にしない
月4本の契約で2本しか素材が来なかった場合、翌月へ繰り越すか、月額を維持するか、都度精算にするかを契約前に決めます。
支払日、契約期間、更新、解約連絡、データ保存期間、実績公開も必要に応じて確認します。
6. 継続提案は期間を限定して試せる形にする
月額提案の例
今回の[本数]本で編集ルールが固まったため、次回からは[改善できる点]を安定させやすい状態です。月[本数]本を[金額]円、素材受領から[日数]営業日/本で継続する案はいかがでしょうか。まず[期間]だけ試し、[確認日]に本数・品質・負担を見直せます。自動更新にはせず、翌月分を都度確認します。
提案時には、単発を続ける選択肢も残します。月額へ変更しないと今後対応しない、といった強制的な条件は避けます。
相手が保留にした場合は、予算、時期、社内確認、方向性のどれに近いかを確認し、再連絡する日を1回だけ決めます。
7. 毎月、採算と相手の負担を見直す
継続が始まった後も、同じ条件が永遠に合うとは限りません。月末に次の数字を確認します。
- 予定本数と実際の納品本数
- 素材の長さと到着日
- 総作業時間と実質時給
- 修正回数と原因
- 初稿・最終納品までの日数
- 追加作業と持ち出し
- 次月に固定できるルール
作業範囲が増えた場合は、値上げだけでなく、本数、字幕量、素材尺、納期、修正回数を組み替えます。価格を変更する場合は、適用日、理由、新しい範囲、移行期間を文章で伝えます。
単発納品の後まで、案件を1つの表で管理する
収益設計、見込み客、提案、3プラン、納品後の改善案、月額提案、週次レビューを8シートにまとめた実務キットです。
直案件・継続化キットを見る 8ページ試し読みよくある質問
継続案件はいつ提案しますか?
初回納品と受領確認が終わり、次回改善できる具体的な点と継続本数を説明できる段階で提案します。契約前から継続を強制しません。
月額は何本から作りますか?
必要本数と制作体制によります。まず月の公開頻度、素材の共有日、1本の作業範囲を確認し、少ない本数のプランから設計します。
値引きすれば継続されますか?
価格だけで決まるとは限りません。相手の目的、本数、品質、連絡負担、納期、予算で判断されます。根拠なく値下げせず、必要なら作業範囲を調整します。
継続契約で売上は安定しますか?
継続や売上は保証されません。相手の事業、予算、制作頻度、自分の品質と対応で変わります。更新と終了条件を決め、毎月採算を確認します。