結論:確認先は「AIサービス」と「入力素材」の2つ
「AI生成物を商用利用できる」と書かれていても、入力した人物、ロゴ、音楽、参考動画を使う権利まで自動で得られるわけではありません。生成サービス側の条件と、素材を渡した側の許可を分けて確認します。
開始前に確認する6項目
| 確認 | 聞くこと | 残す記録 |
|---|---|---|
| 用途 | 広告、SNS、社内、納品後の二次利用 | 使用媒体と期間 |
| 素材 | 人物、商品、ロゴ、音声をAIへ入力してよいか | 素材一覧と許可者 |
| サービス | 契約プランで商用・受託制作が可能か | 規約URLと確認日 |
| 原価 | 生成回数、失敗時の再生成、月額費用 | 上限回数と追加費用 |
| 修正 | 通常編集とAI再生成をどう分けるか | 無料範囲と追加単価 |
| 納品 | AI使用の説明、元データ、保管期間 | 納品物と保管期限 |
1. 入力素材の許可は、クライアント所有だけで判断しない
クライアントから渡された素材でも、撮影した人、出演者、イラスト制作者、音楽権利者など別の権利者がいる場合があります。外部AIサービスへアップロードする利用まで含まれているか、必要に応じて確認します。
確認文の例
ご共有いただく人物・商品・ロゴ・参考動画について、今回利用するAI生成サービスへの入力と、生成結果を今回の動画に使用する許可範囲をご確認ください。許可が不明な素材は、AI入力前に一度止めてご相談します。
2. 規約はサービス名ではなく、契約プランと用途で見る
同じサービスでも、無料・有料・法人・APIなどで条件が分かれることがあります。次の4点を公式ページで確認します。
- 生成物を商用・受託制作で使えるか
- 入力データが学習やサービス改善へ利用されるか
- 禁止される人物・商品・表現は何か
- 生成物の透かし、クレジット、公開条件はあるか
画面の表示や第三者の記事だけでなく、運営元の公式規約と料金ページを確認し、確認日を残します。
3. AIの原価は「採用1カット」で計算する
生成単価だけでは、案件の採算は分かりません。使えなかった生成と、人が確認・編集した時間も含めます。
採用1カットの実質原価
(生成料金の合計 + 生成・確認・編集時間 × 時間単価)÷ 採用カット数
例えば10回生成して2カットだけ採用した場合、画面上の1回単価ではなく、10回分の費用と確認時間を2カットで割ります。
4. 「修正」と「再生成」を別の作業にする
| 区分 | 例 | 決め方 |
|---|---|---|
| 通常編集 | 尺、テロップ、音量、色の微調整 | 無料修正の範囲に入れやすい |
| AI再生成 | 人物、動作、構図、背景を作り直す | 回数上限か追加料金を設定 |
| 方向転換 | 承認済み構成から別案へ変更 | 追加見積もり |
AI再生成は、直したい箇所以外も変わる可能性があります。「少し直す」ではなく「作り直し」に近いことを開始前に共有します。
5. 納品時はAI使用の有無だけで終わらせない
納品メッセージには、採用した生成素材、通常編集した範囲、確認してほしい箇所、利用予定の媒体、元データの保管期限をまとめます。必要な場合は、利用したサービス名や生成日も残します。
よくある質問
有料サービスなら必ず商用利用できますか?
料金を払っていることと、希望する用途で商用利用できることは同じではありません。契約プラン、生成物、入力素材、公開先、クライアント利用の条件を確認します。
クライアントの素材なら自由にAIへ入力できますか?
自由に入力できるとは限りません。素材を持っていることと、外部AIサービスへアップロードできる権限があることは別なので、入力許可を確認します。
このページだけで法的判断ができますか?
できません。一般的な実務確認の整理です。個別案件では、サービスの最新規約、契約内容、素材の権利を確認し、必要に応じて専門家へ相談してください。